トップ > 電気めっき法による巨大ニッケル単結晶の形成手法を開発 1/23-2013
「電気めっき法による巨大ニッケル単結晶の形成手法を開発」
電気めっき反応では、ミクロンメートル単位あるいはナノメートル単位の微細結晶が析出することが知られており、この微細結晶がめっき皮膜の光沢・平滑性および硬度に影響を与えます。従って特にニッケルなど高融点金属の電気めっき皮膜では、一般に巨大な結晶が得られないことが常識です。本研究室の修士課程2年の上村泰紀君は、ニッケル金属のエピタキシャル成長に着目し、めっき液の組成と基板の結晶方位を制御することで、電気めっき法による銅基板上での巨大ニッケル単結晶の形成方法の開発に成功しました。(Thin Solid Films, Vol. 529 (2013), pp. 385-388)
電気めっきによるエピタキシャル成長がこのように大面積かつ長距離に及ぶ例は、今までに報告されておらず、エレクトロニクス分野への新しい応用が考えられます。
図1. 銅基板と同じ結晶方位を有している数十ミクロンメートルの厚さを有するニッケルめっき皮膜